Alice in Wonderland
リライト:Lesley Sims
挿絵:Mauro Evangelista
出版社:Usborn books
刊行:2006年
挿絵画家について
Mauro Evangelista
1963年生まれのイタリアのイラストレーター。
「アリス」以外にも「オズの魔法使い」や「ピノキオ」など幾つか児童書の挿絵を手掛ている。
挿絵について
オールカラーの絵本で表紙含めて57点。
キャラクターの造形は最低限の記号はテニエルに準じているがオリジナリティは高い。
白兎が純白でなくややグレーがかった色調なのが気になる。 あと、芋虫の造形が独特で面白い。
アリスはブロンドの長髪、ピンクの花柄のワンピース。
備考
本文はLesley Sims によってリライトされた短縮版。モックタートルの場面含めて幾つかの場面が省略されているほか、 文章もかなり簡略化されている。
Father Tuck's ALICE IN WONDERLAND
挿絵画家:不明
出版社:B.Shackman & Co., Inc.,
刊行:2000年
挿絵画家について
記載がないため不明。既存の挿絵を流用したものか?
本文について
低年齢向けの絵本として完全にリライトされており、テキストは場面を示す見出しと1センテンスの短い文章のみとなっている。
挿絵について
表紙・裏表紙含めてオールカラーの図版が16点。
基本的にはテニエルの挿絵を元にした造形であるが、キャラクターの瞳がつぶらで等身も低めに抑えられており大変可愛らしいものとなっている。
描かれた場面や構図もオリジナルなもの。
アリスは金髪に赤いリボン、エプロンドレスではなく花柄の青いワンピース姿。
備考
Father Tuck’s という低年齢向け絵本シリーズの1冊。
英語の絵本だが香港で刷られたもので、その所為か著作権意識に乏しい本となっている。
リライトした作家や挿絵画家はおろか、ルイス・キャロルの名前すらない。
ふしぎの国のアリス(ポプラ社文庫版)
翻訳:蕗沢忠枝 挿絵:中島潔
出版社:ポプラ社 刊行日:1982年10月初版 1997年02月 19刷
翻訳者について
蕗沢忠枝(ふきざわ ただえ)
千葉県出身の翻訳者。日本ペンクラブ維持会員、日本翻訳家教会理事。
主な訳書に、「オリエント急行殺人事件」「ねじの回転」「マガーク少年探偵団シリーズ」など。
挿絵画家について
満州出身の日本画家、イラストレーター。
古き良き日本の子供を描いた作品で良く知られる。
公式サイト:中島潔 nakashimakiyoshi - アトリエウメ 日本画家 中島潔の公式ホームページ
翻訳について
冒頭はこんな感じ
アリスは、おねえさんとならんで、ちょこんと土手にすわっているうち、なんにもすることがなくて、あきあきしてきました。 ちょっと一、二回、おねえさんの読んでいる本をのぞいてみました。でもその本には、絵もないし会話もありません。 「あらまあ、絵も会話もない本なんて、いったいなんのためにあるのかしら?」 と、アリスは考えてしまいました。
トラディッショナルな児童文学スタイルといった印象。マッドハッターは「ぼうし屋」、モックタートルは「にせスッポン」と訳されている。
「にせスッポン」という訳語は珍しい。ウミガメとスッポンは全く違うが、日本で食用とされる亀というとスッポンがまっさきに浮かぶだろうからスッポンにしたのだろうか。でも「にせスッポンのスープ」なんて料理はないから何で「偽」なのか意味が通らない。これはあんまり良い訳とはいえないと思う。
挿絵について
カラーは表紙の1点、モノクロ16点。
アリスは黒い髪、表紙のカラー画はいかにも中島潔という印象。悪く言えば日本の子供にしか見えないが、本文中のモノクロの挿絵は表紙とはだいぶ印象が異なり、より快活なアリスらしいアリスとなっている。服装は定番のエプロンドレス。
他のキャラクターはテニエルの造形を踏襲したものだが、モックタートルは牛というより豚の顔のように見える。どちらにしてもその容姿はウミガメ+牛(豚)というテニエルの引き写しで「にせスッポン」という本文中の呼称からは程遠い感じ。
備考
巻末に翻訳者の手による解説が掲載されているのだが、
「ルイス・キャロルは一生、十歳以下の少女をしか愛せなかった――」という神秘的な伝説さえ残っています。そしてそれを裏づけるように、可憐な逸話も――。 「ふしぎの国のアリス」が世界のアイドルになったころ―ルイス・キャロルは三十四歳のときに、十三歳になったアリス・リデルに正式に結婚を申しこんで、両親からことわられました。スキャンダルめいているというので、それまでアリスにだしたきれいな手紙も、みんな焼きすてられてしまいました。 ドジスン先生はそれから一生涯、ほかのだれも愛さず、だれとも結婚しませんでした。
という記述があって、古い本とはいえあまり根拠のない噂話を児童書の解説に書くというのはあまりよろしくないなと。
ルイス・キャロルのアリス・リデルへの求婚に関する噂については、The Rabbit Hole: The site of Lewis Carroll and ‘Alice’ books の「リデル家との仲違いと「求婚伝説」の嘘」に詳しい。
iPad Pro 10.5 inch 用の Smart Keybord を購入。
いろいろ悩んだ結果、iPad Pro 用のキーボードとして純正の Smart Keybord を購入した。夜にヨドバシカメラで注文したら翌日には到着。
一番の懸念事項であったキータッチは思ってたよりほど悪くない。ヨドバシカメラで軽く触ったときはもっと打鍵感のない単なる板を叩いているような印象だったのだが、届いたキーボードを試してみるとそんなことはない。ヨドバシカメラに置いてあったのは9.7inch用のUSキーボードだったのだが、 10.5inch用のJP キーボードになって仕様が変わっているのだろうか? それとも姿勢の違いだろうか? ともかくこれは大きな誤算。少なくとも入力するのが嫌になるほどではない。
むしろ気になるのは、接地したときにキーボード部分が若干浮き気味になることで、実用上の支障はないが何か気持ち悪い。
ALICE Through The Looking Glass
挿絵画家:Trevor Brown
出版社:CREATION BOOKS
刊行:2000年
挿絵画家について
Trevor Brown
1959年生まれのイギリスのグラフィック・アーティスト。現在は日本を拠点に活動している。
今更云うまでもないフェテイッシュ・アートの第一人者。
挿絵について
ペーパーバックなので本文中に挿絵はいっさいない。
Trevor Brown はアリスをモチーフにした作品を何点か制作しているが、表紙に採用されたのもその内の一点。
個人的には Trevor Brown が描いたアリスをモチーフにした作品の中ではこの絵が一番好きだ。
備考
Trevor Brown の表紙のためだけに購入したもの。
iPad Pro 10.5inch を買った。
iPad Pro 10.5inch 64G Wi-Fiモデルを買った。
今の現場に限った話ではなく、最近では多くの現場でセキュリティや情報漏洩の観点から私物のPCの持ち込みを禁止している。事情は判らないでもないし、そもそもメインとなるお仕事であるコーディングしたりデバッグしたりといったプログラム開発の作業は、大抵の場合貸与されたPCで行うので困ることでもない。困るのは、開発以外の仕事。打ち合わせでのメモや会議での議事録の作成のときだ。プロパーの社員は持ち出し申請などしてノートPCを打ち合わせや会議の場に持ち込むことが可能だが、しがない派遣の人間には貸与されたPCを席から移動させる権限は(ほとんどの場合)ない。仕方がないので、メモやら議事録はノートにボールペンなどで手書きすることになるのだが、自慢ではないが子供の頃からの悪筆が治らない自分は、勢いで書くと書いた自分でさえ次の日には読めないという感じなので、記録として手書きで残すには相当慎重に書かざるをえない。神経は使うし、必然的に筆圧は高くなり10分もすれば苦痛になる。
ところで不思議なことに、私物のPCが持ち込み不可の現場でも、スマートフォンは問題ないという現場は多い。その延長のタブレットも然りである。今の現場もそのようなルールになっている。PCとスマートフォンとの間の何の線引があるのか知らないが、多くの企業のシステム管理部門はPCとスマートフォン、タブレットは似て非なるものという認識らしい。では最近良くあるWindowsベースの2in1タブレットはどうなるんだという話だが、そんなこと行っても良い結果に結びつかないことは目に見えているので黙っている。
システム管理部門が決める制約は、当然何らかの必要性があって設けられたものなのだろうが、本来の目的から外れて形骸化してたり、決まりのための決まりになってしまっている場合が結構あるように思う。特にそれが生産性に悪影響を与えているのであれば何とか改善してもらいたいところだ。
ともかく、タブレットの持ち込みがOKならタブレットにキーボードを付けてメモや議事録の作成に利用すれば良いやん。ということで、今回のiPad Pro 10.5inch発売のタイミングを待って購入に踏み切った次第。問題はキーボードなのだが、先日、ヨドバシカメラでアップル純正のSmart Keybordを触ってみたのだが、今ひとつキータッチが気に食わない。ウチに余っている iMac用のMagic Keybordがあるのでそれを使うという手もあるのだが、毎日持ち歩くのはどうなんだという気もする。そんな感じで未だ決めきれていない。
ポプラ世界名作童話11 「ふしぎの国のアリス」
翻訳:石崎洋司
挿絵:千野えなが
出版社:ポプラ社
刊行:2016年11月 第1刷
翻訳者について
石崎洋司(いしざき ひろし)
東京出身の児童文学者。「ハテル聖戦記」(岩崎書店)で1992年にデビュー。
野間児童文学賞、日本児童文芸家協会賞受賞。
「黒魔女サンが通る!!」(講談社)シリーズ、「マジカル少女レイナ」(岩崎書店)シリーズなど。
挿絵画家について
千野えなが(せんの えなが)
東京出身のイラストレーター。
「ステップファザー・ステップ」「この子だれの子」「ジャングル・ブック」(講談社)、「らくだい魔女」(ポプラ社)シリーズの挿絵などで知られる。
翻訳について
対象読者が小学低学年向けということもあり、完訳ではなく抄訳。
冒頭はこんな感じ。
「ああ、なんだか、つまんないなぁ……。」
アリスが、ためいきをついたのは、川の土手の上。
ひとりってわけじゃない。となりにおねえさんがいた。
ただ、本にむちゅうで、いっしょにあそんでくれそうになかったんだ。
かなり個性的な翻訳で好印象。 児童が自分で読めることを前提とした文章。総ルビ付き。(これはこのポプラ世界名作童話シリーズの特徴) マッドハッターは単に「ぼうし屋」、モックタートルは登場しない。
挿絵について
表紙含めてカラーが15点、モノクロ26点。
テニエルの造形をベースに、今時な画風でアレンジを加えたという印象。
アリスは金髪、青のエプロンドレスという定番スタイルで萌えキャラ風。
昨今の児童書の潮流に乗ったものといえる。
備考
中百舌鳥の天牛堺書店にて購入(古書:540円)
- 作者: L.キャロル,石崎洋司,千野えなが
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2016/11/04
- メディア: 単行本
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